選挙管理委員会が27日夜(日本時間28日午前)に発表した開票率約93%時点の結果によると、フィヨン氏が66.8%の票を獲得し、33.2%のジュペ氏を大きく引き離した。
右派陣営は本選で、オランド大統領が所属する与党・社会党を中心とする左派や極右野党などの他陣営に勝利する可能性が高いとみられ、フィヨン氏は最有力の大統領候補となる。元首相ジュペ氏は「フィヨン氏の勝利をたたえ、幸運を祈る」と敗北を認めた。
リアノーボスチ通信が報じた。
また、時事通信によると、フィヨン氏はイスラム過激派による相次ぐテロを背景に、本国からの家族呼び寄せの制限など移民政策の厳格化を主張。企業負担軽減や対ロシア制裁の見直しといった経済重視の政策を掲げ、保守層を中心に支持を固めた。ジュペ氏は中道、左派層の取り込みを目指し、比較的寛容な移民政策や庶民に優しい税制を訴えたが及ばなかった。
本選では来年4月23日に行われる第1回投票の上位2人が5月7日の決選投票に進む。大統領の任期は5年。社会党は来年1月の予備選で候補者を決定。急速に台頭する極右政党国民戦線(FN)からは、ルペン党首が出馬する。