2008年、米国人歌手のビヨンセさんは訪日時に自称「和製ビヨンセ」の渡辺さんと知り合った。
渡辺さんの体重は100キロ。身長は157センチ。
日本人にとってこのサイズは手柔らかに言っても「エキゾチック」。社会の冷たい視線を無視することはほぼ不可能だが、渡辺さんはそれをものともせず、革命的な道を突っ走っている。ただし太めをトレンドとする道に踏み出したのは渡辺さんひとりではなかった。
「ぽっちゃり女子の自分スタイル発見」を銘打った、太めの女性の専門ファッション雑誌「ラ・ファーファ」が創刊したのは2014年。蓋を開けてみると意外な需要の多さに「ラ・ファーファ」はいまや2ヶ月に1度発行。「ラ・ファーファ」誌は体重が重いことをトレンドにしてしまおうと、太っていることを侮辱せずに語るために新たにポジティブ度の高いターム「マシュマロ女子」を考案した。そしてその「マシュマロ女子」の中核に座るのが何を隠そう、あの渡辺さんなのだ。
これを追い風に一気にモードになってしまったのがポップミュージックのエリートぷに子ユニットといわれる「チャビネス」や音楽ユニット「ラ・ビッグスリー」だ。
お隣り韓国でも「マシュマロ」系女子への愛をかきたてようと必死になっているのがモデルのヴィヴィアン、キム・チヤンさんだ。ヴィヴィアンさんは韓国の太めの女性向けの雑誌を発刊している。その目的は「ラ・ファーファ」と同様、体重が重いことで恥ずかしがる必要などないことを啓蒙することだ。
秋葉原にオープンした「ムチぽちゃメイドカフェShangrila」もマシュマロ系女子が堂々と王道をひた走ることを証明しているといえよう。
渡辺直美さんのキャリア人生は今絶頂にある。渡辺さんの夢は日本人のステレオタイプを塗り替えること。渡辺さんプロデュースのマシュマロ女子向けのブランド「プニュズ」の服が激しい勢いで売れていることから察すると、その目論見はまずます成功しているといえるだろう。
渡辺さんは14日、インスタグラム上で最も「いいね!」された投稿を発表する「♯MVI」授賞式にフォロワー550万人を突破したことを讃えられ出席した中で、フォロワー8000万人を超えた「ビヨンセを目指して頑張りたい」と大きな抱負を語っている。