カルロフ大使が攻撃されたのは、トルコの首都アンカラで開かれた写真展の開会式の最中だった。
目撃者によると、犯人はネクタイ・スーツ姿で会場に入ったため、大使のボディーガードとみなされた。
目撃者の1人がリア・ノーヴォスチ通信に語ったところによると、カルロフ大使がスピーチを行っていた時、大使の背後から「アラー・アクバル(神は偉大なり )」という叫び声がし、銃撃が始まった。テレビ局NTVは、犯人は会場にいる人たちに離れるよう求め、床に横たわる大使に近づき、さらに数回撃ったと報じている。
犯人は建物に入る際、警官の身分証明書を提示した。トルコのソイル内相は、犯人が警察で働いていたことを確認した。
トルコのエルドアン大統領の顧問は犯人について、当局が7月のクーデターを企てたとして非難しているフェトフッラー・ギュレン運動とつながりがあったと述べた。
なおイスラム教指導者ギュレン師は、ロシア大使殺害を非難した。ロイター通信が、ギュレン師の顧問の発言を引用して報じた。
ロシアのプーチン大統領は、大使殺害を「卑劣な殺人」であり、トルコとの良好な関係とシリア情勢の解決を決裂させるための挑発行為だと指摘し、「これへの対抗策はもしかしたらたった一つ。それはテロとの戦いの強化だ。ならず者たちはそれを自分自身で感じるだろう」と述べた。
一連の国々や国際機関がカルロフ大使殺害を激しく非難した。国連安全保障理事会は、露大使殺害をテロと認定し、その「実行者、組織者、資金提供者」を処罰するようを呼びかけた。