5つの疑問:ロシアのサイバー攻撃に関する米情報機関の報告書について 証拠はどこに?なぜ報告書の半分がRTについてなのか?などなど・・・

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米情報機関が報告書「先の米国での選挙におけるロシアの行動と意図に関する評価」を発表し、米大統領選の期間中にハッカー攻撃を指示したとして、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を名指しで非難した。

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この報告書は機密報告書の公表版であり、情報資料は一部省かれている。公表された報告書には批判が集まっている。というのも、情報機関が論拠の裏付けとして引用しているのはロシアのマスコミが偏った情報発信を行ったという声明と政治家の公式発言のみだからだ。

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米国の諜報機関は、米大統領選挙への「ロシアの介入」に関する報告書のうち、そのほぼ半分を、スプートニク通信とテレビRT関連テーマに割いた。報告書は、米国CIAとNSAそしてFBIが、7日金曜日、公表したものだ。

この米国諜報機関の報告書については、こちらをご覧下さい

この報告書を読んで生じる主な疑問が次のものだ。

どうして報告書にはなにひとつ新しいことが書かれていないのか?

この報告書は選挙中のハッカー攻撃に関する包括的分析の総括であると発表されており、分析はバラク・オバマ米大統領が指示したものである。情報機関はほぼ1ヶ月をかけてこの報告書を作成しており、新たに興味深い事実が多く語られるはずだと思われた。しかし、実際はそうではなかった:一般に公表された本文には、これまでに米政府代表やマスコミが情報筋の話として伝えた内容以外のものは一切含まれていない。

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証拠はどこにあるのか?

米情報機関の報告書の最大の弱点は、ロシアによるサイバー攻撃があったという結論の根拠となる具体的証拠が欠如している点だ。証拠はあるのかもしれないが、一般向けには公表されなかった。報告書の機密部分に何が書かれているのかは不明だが、間接的なデータから判断するに、やはり何らかの証拠はあるようだ。新米大統領のドナルド・トランプ氏は完全版の報告書を読み、民主党のコンピューターのハッキングにロシアが関与していたかもしれないことを初めて公然と認めた。

どうして報告書の半分がRussia Todayについてなのか?

報告書の本文は全部で14ページであるが、そのうち7ページがロシアのテレビRT(Russia Today)に割かれている。しかも、報告書の著者が正直に指摘しているとおり、この7ページはすべて2012年に発表されたCIA分析センターの報告書を引用したものであり、それよりも新しい情報はなにひとつない。代わりに記されているのは、RTの活動を知る人間であれば誰でも知っているRTとクレムリンとの繋がりについての結論である。

ロシアの政治家ひとりの発言をもとに、ロシアの意図を結論づけることなどできるのか?

トランプ氏の当選をロシアが手助けしたことのひとつの証拠として、米情報機関は、報告書の中で「クレムリンの操り人形」と形容されるロシア自由民主党党首、ウラジーミル・ジリノフスキー氏の発言を引用している。11月1日、ジリノフスキー氏は『コムソモリスカヤ・プラヴダ』のインタビューで次のように発言している:「もし彼(トランプ氏)が勝利すれば、11月9日はシャンパンを飲もう!」報告書はジリノフスキー氏以外にも、「プーチンの主要な宣伝係」として『今週のニュース』の司会者、ドミトリー・キセリョフ氏にも言及している。

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報告書の著者が親クレムリンの政治家やジャーナリストの発言にどの程度依拠しているのかは不明だが、引用された例には当惑するばかりだ。例えば、ある話題の中で、キセリョフ氏がトランプ氏はロシアに対する愛故に「単純に殺されてしまうかもしれない」と発言したことや、ジリノフスキー氏が新米大統領は自分の遠い親戚かもしれないと推測していたことだけを見ても十分であろう。こうした発言は報告書には引用されておらず、米情報機関がジリノフスキー氏やキセリョフ氏の発言を極めて真剣に受け止めているような印象を受ける。

どうして米情報機関ではクレムリンの動機について意見がまとまらないのか?

報告書の中で唯一、米情報機関の間に意見の相違が残るのが、米大統領選挙に介入することを決めたクレムリンの動機である。報告書は中央情報局(CIA)と連邦捜査局(FBI)と国家安全保障局(NSA)が合同で作成した。CIAとFBIは、ロシアが民主党の候補、ヒラリー・クリントン氏に嫌がらせをしようとしただけでなく、それによって共和党のドナルド・トランプ氏の当選を助けようとしたのだと「固く確信」している。NSAは両者の結論に真っ向から意義は唱えていないものの、クリントン氏に対する中傷がトランプ氏支援のために仕組まれたものであることに「控えめな確信」を表明しているに過ぎない。どうして各情報機関の結論にこのような矛盾が生じているのかは不明だ。

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