憲法裁は当初、10日に証人尋問を予定していたが、崔被告は自身の刑事事件の公判準備を理由に出廷に応じなかった。このため憲法裁は16日午前の弁論に崔被告が出なければ強制的に出廷させる「勾引」の手続きを取ると警告していた。
弁論では、他にも大統領府元高官の出廷拒否や朴氏側の関係書類提出の遅れが続いており、憲法裁は政権側による審理の遅延策とみて再三不快感を示している。元高官らに対しても今後、勾引を検討する可能性もある。
先に伝えられたところによると、朴大統領周辺の政治・汚職スキャンダルが燃え上がったのは、大統領が秘書ではなく、親友である崔順実被告に公開前の数十の演説文を渡していたという情報が報道各社が手に入れた後のこと。こうして崔被告は民間人でありながら、国政に介入した。
崔被告は、同国でシャーマニズムの新興宗教団体の開祖となり、1994年に死亡した崔太敏の娘。
崔被告はまた、政治的影響力を用いて圧力をかけ、韓国大企業に対して、自身が実質支配していたとされる文化支援財団「ミル財団」とスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」への資金拠出を強要した容疑がある。これら財団の口座には52企業と19のビジネスグループから約7000万ドルが振り込まれていた。
検察は11月20日、崔被告を起訴した上で、大統領自身も「相当部分、共謀関係」にあった疑いがかけられていると発表した。崔被告は逮捕された。崔被告の他、アン・ジョンボム前政策調整首席秘書官とチョン・ホソン前付属秘書官の2人が職権濫用と汚職の罪で起訴された。
白熱したスキャンダルを背景に、大統領の首席秘書官が総辞職した。世論の圧力の元、内閣も改造された。国内全土で反政府抗議活動が行われた。
12月9日、韓国議会は朴大統領の弾劾手続き開始に同意。韓国憲法裁判所は180日以内に決定の是非を決める。