公判で一貫して無罪を訴えていた、船頭を指導する立場だった元船頭主任の小山正博被告は禁錮2年6月だった。佐藤裁判長は判決理由で「現場で船が転回する危険性を認識しながら訓練を怠っていた」と指摘、事故は予見可能だったとして主張を退けた。
実際にかじを取った元船頭大畑茂雄被告が禁錮3年で、安全統括管理者だった元営業課長松野幸夫被告は禁錮2年6月。
天竜川の川下り事業は既に廃止されている。国土交通省は事故を受け、全国の川下り船業者に、全乗客への救命胴衣着用を徹底させるよう指示。安全対策強化の契機になった。
起訴状によると、松野被告と小山被告は船頭に対する危険回避の訓練を怠ったほか、大畑被告は適切な操船をせず、川下り船を転覆させ5人を死亡させたとしている。