昨年ウルリケ・シュミット教授とその英キングス・カレッジ・ロンドンの同僚たちは、過食症と戦うための新たな方法を提案した。それは女性の脳内の「食欲中枢」を開き、そこを磁場で刺激するというもの。
問題は、経頭蓋磁気刺激システムが非常に多くの場所を占め高価であることから、自宅に設置することがほぼ不可能だということだった。また頭皮に接続して脳のしかるべきポイントに磁場を発生させるための電流を流すという事実上の電極セットの「ミクロ偏光子」と呼ばれる方法も存在しているが、これはより安価ではあるものの、効果が弱い。
現在これらのシステムは病院でうつ病を抑制したり、米軍兵士の知的能力を向上させるために使用されている。
シュミット教授とその同志たちは、40人の女性からなるグループを集め、この方法で「食欲中枢」を刺激できるかを調べた。半分の女性には実際には脳を刺激しない偽物の装置が渡された。なお彼らには偽物が渡されたことは知らされなかった。
結果、電流の刺激が実際に機能していることがわかった。本物の刺激装置が渡された女性たちの過食症の症状の重さが、翌日には30パーセント緩和されたという。