アナスタシア・ルーベリ
現在ロシアにおいて男女は、実に様々な形で知り合っている。その方法は古いものから超近代的なものまで実に幅広い。たとえば、北カフカスでは今もなお媒酌人あるいは両親が子どもたちの結婚を取り決めるのが一般的だが、大都市では携帯の出会い系アプリやお見合いパーティといった方法に人気が集まっている。
まず少し歴史を振り返ってみよう。
かつて10〜11世紀から16世紀半ばにかけて最も一般的だったパートナー探しの方法は縁を取り持つ媒酌人の仲立ちによるものだった。13世紀末から18世紀初頭にかけては媒酌人同士の合意が特別な結婚の契約として認められていた。この制度が廃止されたのは1702年、ピョートル大帝の時代になってからのことだ。
19世紀になり、都市化が進むとともに身分の差が次第になくなり、媒酌の代わりに新たな出会いの方法が現れるようになる。そこで20世紀の初頭に流行ったのが、新聞広告を使って人生のパートナーを探すというものだった。
そして10月社会主義革命後のソ連時代になると、若者たちはそのほとんどが友人の紹介あるいはダンスパーティで恋人を見つけた。
このお見合いパーティに負けていないのが携帯の出会い系アプリだ。ロシアでもっとも人気のアプリはBadooとTinderの2つで、これらが世界中で使われていることから、外国人と知り合いたいというロシアの女性たちにとってとりわけ魅力的なものとなっている。
臨床心理学者で精神療法専門医でもあり、体系的家族療法センターで所長を務めるインナ・ハミトワさんは「こうした出会い系アプリの人気が高いのは単なる流行ではなく、恋人を見つけたいという人間の自然な欲求が形になっているのだ」と指摘し、次のように続けた-「媒酌の何が悪いのか。かつては非常に多くの人々がその方法を用いて人生の伴侶を見つけてきた。テクノロジーが進化した今、同じ目的のために携帯アプリを使うのは全く悪いことではない。しかもこうしたアプリに登録するということは、それだけその気持ちが真剣だということの表れであり、拒否される可能性も低くなる。」
本記事はjp.rbth.com (ロシアNOW)に掲載された元記事の編集・縮約版です。RBTH編集部(jp@rbth.com)から書面による許諾を得た場合のみコンテンツを使用・複製(コピー)する事ができます。