老化プロセスで主な役割を演じているのはミトコンドリア。ミトコンドリアが休みなく活動し始めると老化を引き起こす病的状態が生じる。いままで老年病はミトコンドリアDNAの変異によって発生すると考えられていたが、違うことが分かった。
学者たちは、ミトコンドリアの構造の乱れが原因であり、このプロセスをメラトニンを使って遅くすることが可能であることを明らかにした。メラトニンは睡眠ホルモン。学者たちは、メラトニンのある特性に注目した。人体のメラトニンの濃度は年齢と共に低下し、これが高齢者の眠気を引き起こす。学者たちはこれらのプロセスに関連性があるかを調べることにした。
年齢を重ねるとともに細胞に隙間ができる。そして年老いたミトコンドリアがストレスに対処するのが難しくなったことから細胞内に蓄積されたカルシウムイオンがこれらの隙間を通ってミトコンドリアから漏れてしまう。このプロセスが徐々にミトコンドリアの破壊、そして細胞の自滅プログラムの始動を引き起こす。
ラットおよびマウスの細胞の実験では、メラトニンの投与がミトコンドリアを保護し、その内部にATP分子の組み立てサイクルを司る重要な酵素を保つことで、老化と細胞死を防ぐことが示されたという。
先に伝えられたところ、NASAは、宇宙で老化プロセスが逆行すると発表した。