そしてその少し後に、日本にやってきたのがもう一人のロシア人、ワレンチン・フョードルヴィチ・モロゾフ氏だった。彼は、やはり神戸に拠点を置き、1931年にまず小さなスイーツショップを開いた。そして1936年2月、愛する男性への最高のプレゼントとして、日本の多くの雑誌に、他ならぬモロゾフ・チョコレートの宣伝広告を載せたのだった。宣伝の中では、バレンタインデーには外国では、愛する人達は互いにチョコレートを贈りあうと謳われていた。日本の新しいもの好きのロマンチスト達は、このモロゾフの宣伝を気に入り、その外国の習慣とやらを取り入れるようになった。しかし、この習慣が一般に広まったのは、やっと25年後のことで、その頃から、この日だけは、女性がチョコレートを男性に送り、自分の側から愛を告白できるという意味合いが加わった。
現在2月14日は、ロシアでも満足を持って祝われている。ロシア人がこの祝日の魅力のすべてを楽しみ始めたのは、そう昔のことではないが、ロシアでは皆すぐに「夢中に」なった。チョコレートを贈り合うことも、ますます人気となっている。それはロシアの様々な製菓会社が、この日に合わせた詰め合わせを用意している事でもよくわかる。例えば、ロシアの高級チョコレートメーカー「コンフアエリ」は、可愛らしいバラと同社で一番おいしいと言われるクリームフィリング入りのチョコキャンデー5つがハート型をした箱に入った、愛の告白にぴったりな製品を出している。キャンデーにはそれぞれロシア文字が一つずつ5つ、つまりЛ、Ю、Б、Л、Юが書かれているが、これを合わせると「愛してる」の意味となる。またプレゼントにチョコレートでできたカードを添えることもできる。選ぶ人の好みによって、カードはホワイトチョコでも普通のチョコでも用意可能だ。そしてもちろんカードには、あらゆる女性の耳に甘く響き、目にも甘く映り、当然食べればとろけるような甘さのメッセージを書き込むこともできる。さらにチョコレートの肖像画を注文することも可能だ。カードも肖像画も、板チョコの上にチョコレートカラーで書かれたり描かれたりする。これも最高のプレゼントとなること請け合いだ。
スプートニク日本スタッフ一同、バレンタインの良き日に当たり、チョコレートの味とこの明るく素敵な祝日の楽しい思い出が、できるだけ長くユーザーやリスナーの皆様を幸せいっぱいにしますよう、心よりお祈り申し上げます。