ロシア人外交官で東洋学者のゲオルギー・トロラヤ氏は、実際に北朝鮮の工作員が殺害に関与した可能性が最も高いとの見方を示し、次のように語っている-
韓国の情報機関は、金正男氏の暗殺が2012年から計画されていたと考えている。韓国の朴槿恵大統領の職務を代行している黄教安首相は、金正男氏殺害に北朝鮮が関与したことが確認された場合、これは金正恩政権の残虐性を証明することになると述べた。
ロシアの朝鮮問題の専門家コンスタンチン・アスモロフ氏は、提起された嫌疑は証明を必要としていると強調し、中国のマスコミが金正男氏の死に『北朝鮮の痕跡』のみを見ようとしていないことに注目し、次のように語っている-
吉林大学北東アジア研究院の中国人専門家バ・ジャニュン氏は「スプートニク」のインタビューで、現時点では金正男氏の死因に関する確かな情報がないため、何らかの仮説を立てるのは無責任な行為だと述べ、次のように語った-
「現在たくさんのマスコミ、特に日本や韓国のマスコミでは、中国と北朝鮮の関係に焦点が向けられている。なぜなら金正男氏は、大部分の時間をマカオで過ごしていたからだ。同氏は何かあった場合に北朝鮮に新たな秩序をつくるために利用するための中国の「予備の案」のようなものだったという見方もある。だが私は反対に、金正男氏の死は、中国にはいかなる計画もないことを証明していると考えている。」
実施に米国で政権が変わり、ミサイル防衛システムTHAADの配備プロセスが継続している現状の中、西側の戦略計画は、中国と北朝鮮の関係に影響を与えることにある。これについてコンスタンチン・アスモロフ氏は興味深い指摘を行っている-
一方でこの謎の犯罪は、まずメディアや国際社会の関心を北朝鮮へ向けさせた。なぜなら北朝鮮は世界で最も閉ざされた国の一つであり、北朝鮮の生活に関する情報はメディアあるいは情報機関筋から伝えられているからだ。多くのデータがかなり矛盾しており、それを確かめるのはほぼ不可能だ。現時点では、金正男氏殺害で2人目の容疑者が拘束されたことが分かっている。だが未だに金正男氏の死因は特定されていない。これはいろいろな説や憶測が、今後もこの死の謎を増やすことを意味している。