これは、ヘモグロビンをコードするDNAの突然変異によって起こる遺伝性の貧血を患ったドイツに住む男性。この男性のケースでは、喫煙が症状を取り除く助けとなった。雑誌Journal of Biological Chemistryに研究に関する記事が掲載された。
最初にドイツに住む男性の23歳の娘が鉄欠乏性貧血と診断された。病気はヘモグロビンのタンパク質複合体の構成成分の一つであるポリペプチド鎖(α1)をコードする遺伝子の突然変異によって起ったことが分かった。ポリペプチド鎖(α1)は、ヘモグロビンを酸素に対して脆弱化するため、赤血球が細胞に酸素を正常に供給することができなくなる。
一方で父親も鉄欠乏性貧血だったが貧血に苦しむことはなく、血中からは濃度の高い一酸化炭素が検出された。父親は喫煙者で、一酸化炭素との相互作用のもとで突然変異がヘモグロビンを安定化させたことが分かったという。
先に、スコットランドの研究者たちは、男性約5万3000人のDNAを調べ、脱毛症の遺伝的原因を発見した。