正男氏は13日、クアラルンプールの空港で顔に毒物を塗られて殺害されたとみられており、検出された物質が死因の特定につながるかが注目される。
関係者によると、検出されたのは「パラチオンメチル」とみられる物質で、目や鼻の粘膜から入ると死に至る可能性があるという。実行犯とされる女2人はクリーム状の物質を正男氏の顔に塗りつけたと供述しており、これがパラチオンメチルだった可能性がある。ただ、検出された物質が死因につながったかどうかはまだはっきりしておらず、捜査当局は慎重に調べを進めている模様だ。
一方、この事件の重要参考人とされる北朝鮮の外交官が、事件当日に現場のクアラルンプール国際空港で北朝鮮国籍の容疑者4人の出国を見送ったとみられることも、警察当局への取材でわかった。警察は、外交官の事件への関わりを具体的に示す証拠として注目している。朝日新聞が報じた。
日本では、パラチオン系の農薬はかつて広範に使用されたが、相次ぐ中毒事故の発生や殺人事件の発生が社会問題となり、1971年に一般での使用が禁止された。毒物及び劇物取締法の特定毒物に指定されており、許可無く使用した場合は罰せられる。