石井氏は長年、日朝国交正常化問題に取り組んでいる。その石井氏に対して金正男氏は会談を申し入れ、3月1日にマカオで会食が行われる手はずになっていた。暗殺事件が起きたのは面会が確定した11日後だった。
北朝鮮問題に詳しい石井氏に金正男氏がなぜ接触を図ったかは明らかにされていないものの、産経新聞は正男氏が異母弟の金正恩氏朝鮮労働党委員長とは別に独自に日本との関係改善を図ろうとし、これが北朝鮮の警戒感を刺激したのではないかとの見方を示している。
石井氏は国土庁長官、自治大臣、国家公安委員会委員長、民主党副代表、衆、参議員などを歴任する存在。北朝鮮について拉致された日本人の行方を知っているなど、自身が事情に精通していることを示す発言をしている。