米国の経済政策:日本はバランスをとれるか?

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米国のペンス副大統領が日本を公式訪問し、日米経済対話の初会合に出席する。ペンス副大統領は4月17日あるいは18日に日本に到着し、4月20日まで滞在する。

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なお安倍首相は、米国の環太平洋パートナーシップ(TPP)離脱を踏まえ、麻生財務相とペンス副大統領が2国間貿易協定の締結について議論する可能性を排除しなかった。ご存知のように、安倍首相はTPPに大きな期待を寄せていた。 

安倍首相はTPPを新たなフォーマットで実現できるだろうか?またTPP漂流という状況の中で、日本と米国の経済協力に何らかの抜本的な変化を期待することはできるのだろか?元駐日本ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は、「スプートニク」のインタビューで、次のような見解を示している-

「日本はTPPを使って経済を再起動させようと考えていたが、今日本にとってのこの推進力は消えてしまった。そのため日本は最悪の事態に向けて準備している。安倍首相は米訪問であらゆる方法で米大統領のご機嫌をとった。安倍首相の米訪問はそれを明確に示した。第一に、いずれにせよ日本は今まで通り米国経済に投資し続けるということだ。しかもさらに大きなスケールで。日本には米国での高速鉄道の建設に加わるあらゆるチャンスがある。」

世界経済国際関係研究所の日本に関する専門家、エレーナ・レオンティエワ氏は、トランプ大統領のアプローチは首尾一貫していると指摘し、次のように語っている-

「トランプ氏の政策の方向性は、米経済の相対的な孤立、米国の国内市場と雇用の保護だ。トランプ氏の決定は商品、労働者、資本の自由移動を妨げているが、同氏は自分の決定による結果を常に考えていないのではないだろうか。例えばトランプ氏は『border tax』、中国、日本、メキシコ、ドイツからの輸入製品への高関税の導入を提案した。この措置は米産業の利益の保護を目的としているが、コスト削減のために設備の近代化(米国の雇用は非常に高価)や、テクノロジーの刷新が行われており、そのためには企業や職員の数が減少するため、同措置が助けになることは恐らくないだろう。この価格政策は、メキシコやアジアから輸入した商品を販売している米国の主要小売業者の利益に反している。日常生活に必要な輸入品に対する値上げ額はおよそ20%となる。大勢の消費者の利益に影響を与える。」

したがってトランプ大統領の目的は、世界で地域統合が最もダイナミックに行われているゾーンであるアジア太平洋地域の発展への参加から、できる限り米国を排除することであり、これはTPPの潜在的な参加国が追及した目標に反している。レオンティエワ氏は、さらに次のように語っている-

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「TPPは、貿易障壁の軽減や地域経済統合の政治的強化を可能とするものだ。同地域の国々は、困難な時期にある欧州統合とつながる方法を模索している。したがって米国の経済政策は、アジア太平洋諸国の政策と反対の局面にある。」

また大勢の専門家らが、米国のTPP離脱はアジア太平洋地域における米国の経済的優位性を損ねるだろうとの意見で一致している。TPPは米国にとってマレーシアやベトナムなどの経済が急成長している国々が課す数千の輸入関税を削減したはずだ。

TPPの崩壊は長期的な展望でアジア太平洋地域の国々を東アジア地域包括的経済連携のフォーマットで自由貿易協定を締結する方向へ向かわせるだろう。東アジア地域包括的経済連携には、ASEAN加盟国の10国に、中国、日本、インド、オーストラリア、インドネシア、韓国の16カ国が参加しており、結果的に世界は、中国や日本などの大国を含むアジアの大きな地域貿易ブロックを目にすることになる。なおここでもルールを確立するのは米国ではなく、中国となる。

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