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深夜のモスクワ地下鉄でドストエフスキーのバレエ『白痴』が公演【写真】
深夜のモスクワ地下鉄でドストエフスキーのバレエ『白痴』が公演【写真】
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... 2017年3月23日, Sputnik 日本
2017-03-23T12:30+0900
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社会, ロシア, 国際, 文化, ドストエフスキー
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深夜のモスクワ地下鉄でドストエフスキーのバレエ『白痴』が公演【写真】
2017年3月23日, 12:30 (更新: 2022年12月3日, 15:21) 地下鉄の最後のお客をおろした列車が車庫へと入ってしまった後、駅構内はどうなっているのだろうか? 通常はいつもの技術作業が行われるこの時間をモスクワ地下鉄はがらりと変え、地下鉄の駅を劇場の舞台へと変身させた。3月11日から12日にかけての深夜、モスクワのとあるメトロの駅でドストエフスキーの長編小説『白痴』を題材にしたバレエが行われた。スプートニクの記者らもこの驚くべきイベントを堪能する機会に恵まれた。
真夜中はとっくに過ぎ、通りには人気がない。メトロの終電はすでに1時間前にいってしまった。だが「ドストエフスキー」駅の入り口には人混みがある。コーヒーを片手に立っている人が目立つ。大人だけではなく、子どももいて、必死になって眠気を払っているのがわかる。今日、モスクワの地下鉄は何かいつもと違うことは確かだ。
地下鉄の駅のドアが開くといつもの青い制服の駅員に代わってお客さんたちを迎えたのは生演奏の音楽だった。まるで、夜更けに本当に奇跡が起こった、あの「くるみ割り人形」のお話の世界に迷い込んだ錯覚を覚える。陽気な音楽でオーケストラが残っていた眠気を一気に振り払うと、観客はもう待ちきれない思いで舞台の最終準備が行われていたプラットフォームへと急いだ。そして最後の和音が鳴らされると、お客さんはエスカレーターを降りて「客席」へと向かった。
「ドストエフスキー」駅は見事に変身していた。駅の建築はドストエフスキーの作品の雰囲気を伝えるよう工夫されていたため、プラットフォームは重苦しい灰色のトーンで決められている。円柱を飾るモザイクはラスコーリニコフの高利貸しの老婆殺害、アナスタシヤ・フィリーポヴナの死などドストエフスキーの作品の舞台を表現したものだ。だがこの夜、駅は別の色にあふれていた。組織者らは劇場用のスポットライトを設置。これにが舞台のみならず、プラットフォーム全体にピンクと水色の光で照らし、今までにない美しさを与えていた。舞台はプラットフォームにしつらえてあり、そこに立つアーチの向こう側が舞台裏に、そして階段が客席に様変わりしている。
舞台を演じたのは地元モスクワの有名なバレエ団「バレエ モスクワ」。この日のためにバレエ団が選んだのは一番お気に入りのナンバーでドストエフスキーの『白痴』に発想を得た「カフェ 白痴」だった。ここでは振り付け師兼演出家は話の筋の説明を試みておらず、エモーション、作品の雰囲気を伝え、観客に沈思を強いることを目的にすえている。「カフェ 白痴」は実験的バレエであり、そのすべてが通常のものとは異なる。アーティストらは古典音楽、現代音楽にあわせて、また時にはまったくの沈黙の中で踊る。時折、『白痴』の一節が読みあげられるが、それは子どもの声で録音されたもの。またアーティストらは舞台の上で衣装変えを行い、最後は下着だけとなった。踊る場所も舞台だけではない。椅子の上、テーブルの上、時には壁の上と自在だ。表現手段は踊りに限定されず、歌い、話し、愛し合う。あたかもこの舞台で短い一生を送っているようだ。
© Sputnik / Anastasia Fedotovaドストエフスキーのバレエ『白痴』
© Sputnik / Evgenia Petrusevaドストエフスキーのバレエ『白痴』
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ドストエフスキーのバレエ『白痴』
© Sputnik / Anastasia Fedotovaドストエフスキーのバレエ『白痴』
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© Sputnik / Evgeny Biyatovドストエフスキーのバレエ『白痴』
幕が下り、主人公らが舞台の煙幕の中に溶け込んだとき、私はふと後ろを振り返った。そこにはキャンバスに描かれたドストエフスキーの視線があった。舞台を見守っていた作家自身は出来に満足しただろうか…。