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最近、仏は、南シナ海での航行の自由を支持することをはじめ、この海域でのアピアランスを拡大する構えであることを一連の声明によって公式的に表している。
ミストラル級強襲揚陸艦はEUが今、この海域に送り込むことのできる最良の戦艦だ。敵が小国であり、空軍の軍備や艦隊を持たない場合はミストラルは役に立つ軍艦だが、仮想敵国が中国ともなると、ミストラルを万一用いた場合、ことはカタストロフィーに終わりかねない。
EUがなぜ太平洋の論争、軋轢にこれだけ加わる意欲を見せているのか? まず考えられる要因は欧州の外交政策が失敗していることを背景に、存在意義をアピールするという目的であり、次には米国の中国抑止政策に加わることで安全保障面での米国との協力にポジティブな影響を得られるのではないかという期待だろう。
「冷戦」終了で欧州は軍事的には米国の徒食者と化してしまった。欧州のアビリティーでは自分の安全を自力で保障するには足りないにもかかわらず、欧州が太平洋での軍事アピアランスを確保するのに資金を使おうとするのは、これによって米国から報酬としての便宜が受けられるだろうと期待してのことだ。欧州のこうした立場に米国は疲労し、いらだちを強めている。