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論文は科学誌『 Current Biology』に公開された。
オーストラリア・クイーンズランド大学のブライアン・フライ氏は、「この魚は他の魚に、アヘンと構造が似たタンパク質を注入する。それはヘロインやモルヒネと同様に働き、痛みを引き起こすのではなく、抑える。毒は脳にあるオピオイド受容体に働きかけることで動きを鈍らせ、空間把握能力を失わせる。これは、オリンピックの水泳選手がドーピングとしてアヘンを服用すれば、金メダルを獲得するどころか溺れることと同様だ」と語る。
近年、一連の生物の体内から多くの薬や麻薬、毒に似た興味深い物質がどんどんと発見されている。例えば5年前、フランスの生物学者のチームが、世界最強クラスの猛毒ヘビ、ブラックマンバから非常に効き目の強い鎮痛剤「マンバルジン」(mambalgin)を開発した。その鎮痛効果はアヘン並だが、副作用はなく、依存リスクも低いということだ。