全長2・2キロの桜並木の大半は今も立ち入りができない帰還困難区域で、避難指示が1日に解除された約300メートルの範囲が花見イベントの会場になった。町民らは用意された足湯でくつろぎながら桜をめでたり、よさこい踊りを披露したりした。
原発事故前にこの催しで人力車を引いていた自営業遠藤良一さん(62)は福島県白河市に避難中。7年ぶりに客を乗せ「みんなの笑顔を見ることができて最高の喜びだ。これをきっかけに前に進みたい」と声を弾ませた。富岡町内の自宅を解体し、茨城県北茨城市に避難している無職遠藤時子さん(79)は「知人と事故後初めて再会し、元気そうで安心した。来年もまた来たい」と話した。
町の人口は3月現在約1万3500人で、このうち避難指示が解除された地区は約9500人。