8日に大阪市で開かれた日ASEAN経済閣僚会議後の記者会見で、世耕弘成経済産業相はASEAN各国に対し、中小企業の海外展開支援や新産業の創出、電子商取引に対応する制度構築、人材育成を一体で支援する考えを表明した。経済協力を通じ、物品貿易や投資、知的財産保護など幅広い分野での自由化が、発展途上国や中小企業にも恩恵をもたらすと訴える狙いがある。
会議の共同声明では、RCEPに関して早期妥結に取り組むことを確認するとともに「包括的で、質が高く、互恵的であることが必須」と言及した。ASEANが目指す早期妥結と、日本が求める高い自由化といった双方の立場が両立する考えを示した。
RCEPには、日本やASEANのほか、中国やインド、オーストラリアなど計16カ国が交渉に参加。米国の離脱で環太平洋連携協定(TPP)の発効が困難となる中、アジア広域の経済連携として存在感が高まっている。ただ中国やインドは自国産業を保護する傾向が強く、日本の交渉姿勢と隔たりが大きい。