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多神教のヒンズー教の神々が空を舞う「不死身伝説シバ」。猿の姿をした神が活躍する「悪魔王の叫び、ラバナ」。南部ベンガルール(バンガロール)の展示会で、色鮮やかな漫画の棚の前に行列ができていた。「最近の子どもはインド文化に詳しくないので、ぜひ読ませたい」と音楽教師アマティさん(27)は言う。
インド発の漫画は2000年代に入って次々と発表された。「CGで作画が容易になったことや、スパイダーマンなど漫画原作の米国映画の流行が大きい」と関係者は指摘。11年に始まった漫画展示会「コミックコン」は首都ニューデリーなど5都市に拡大、一つの会場で数万人を動員してきた。
草分けの一つで08年から約90タイトルを出版するキャンプファイア社の販売担当者ムネンドラ・パタンカルさん(35)は「ヒンズー教は魅力的な神が多く、漫画にしやすい。独立の父ガンジーの伝記漫画も学校に導入したい」と意気込む。
裾野の広がりで社会問題を扱った漫画も誕生。インドではレイプや、酸を女性の顔にかける酸攻撃が深刻で、14年にはインド系米国人の作家ラム・デビニニ氏が、レイプされた女性がヒンズー教の女神の助けで権利拡大を訴える漫画をネットで公開し、人気を博した。
昨年9月には酸攻撃の被害者を扱った続編も登場。デビニニ氏は「子どもたちに女性問題を訴えるのに効果的」と漫画の効用をアピールしている。
先の報道によると、インドで、猿の群れと生きていた8歳の少女が発見された。