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3年連続でHinodeに出演している舞踊グループ「奇跡の花」は、花笠音頭を披露した。「奇跡の花」は日本文化を愛するロシア女性たちの集まりで、今年は13人が舞台に立った。墨絵を習っている人もいれば、茶道をたしなむ人もいる。また、浴衣を着て踊ることに憧れてグループに入った人もいる。リーダーのミレーナ・ボグダノワさんに話を聞いた。
ミレーナさん「仕事が終わってから夜に集まり、練習を積み重ねてきました。民謡の魅力は、年齢に関係なく踊れて楽しめるところと、日本の精神性を感じられるところです。日本の民謡はロシアのダンスよりも洗練されていて、集中力を要求します。浴衣は、日本から取り寄せた人もいれば、自分で縫った人もいます。私たち、みんな自分で浴衣が着られるんですよ。舞台上で帯がほどけないように結ぶのは大変ですけど。今回は花笠音頭のため、腰巻を手作りしました」
常駐の先生はいないので、練習は山形県で撮影された花笠音頭のレッスン・ビデオを見て行った。「奇跡の花」がすごいのは、振り付けだけを真似しているのではなく、民謡のひとつひとつの動作に込められた意味を理解し、それを感じながら踊っていることだ。
女子高生二人組、アリーナさんとオリガさんに話を聞いた。アリーナさんは、日本のアニメ好きのお母さんの影響で、生まれたときからアニメが身近だったという。日本ファンも、「第二世代」が生まれているのである。アリーナさんはかき氷が大好きで、一番好きなアニメは名探偵コナンだという。オリガさんは書道講座に参加した。「先生は、上手く書くことよりも、書道の心を伝えてくれた」と話す。二人とも、いつか日本に行ってみたいと目を輝かせて話してくれた。
メイドカフェで休憩する美しいコスプレイヤーの姿もあった。コスプレのレベルが高すぎて、誰が店員で誰が客かわからないほどだ。このメイドカフェはHinodeのための特別出店で、すべてのメニューの材料を日本から運んできた。人気は抹茶ラテ。「ロシア人のお客さんは、優しくて、ノリがいい」ということだ。
会場に集まったロシアの日本ファンと話していると、日本の何に魅力を感じるのか?という問いに、「日本の精神」「日本の魂」という表現を使って答える人が多い。日本文化の根底に流れる、何か精神的で、哲学的な、目に見えないもの。それは日本人の考え方や生き方、立ち居振る舞いかもしれないし、ロシア人の心に響く「何か」を生み出す創作姿勢かもしれない。