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オバマ政権がサウジの宿敵イランと核合意に調印して以来、米国とサウジの関係はぎくしゃくしてきた。トランプ氏は初の外遊先としてサウジを選んだ。そしてサウジ側から投げられた巨額投資の申し出は米新政権との関係改善に向ける意気込みを先んじて示したものと受け止められている。
サウジアラビアと米国の「特殊な」関係についてロシアのTV局「RT」のミゲル・フランシス・サンチヤゴ記者は、米国内の「サウジロビースト」の果たす役割に着目して次のような辛口の解説を試みている。
「米国政権がサウジアラビア王室に寄せる愛の深さはおそらく米国においてサウジのロビーがどれだけの影響力を持っているかを見れば説明がつく。そうした影響力を及ぼしている組織は『パデスタ・グループ』『マッケオン・グループ』『DLA PIPER』など。これらのサウジ・ロビーストらが米国同時多発テロ事件(9・11テロ)に関してサウジを訴える動きを阻止している。
当然こうした行為への見返りとして『パデスタ』はサウジと契約を結んでおり、気前のよい額が保障されている。同社の創業者トニー・パデスト氏は米国におけるトップ・ロビーストでヒラリー・クリントン氏の親友でもあるが、同氏は自ら9・11テロに関する事項に関わっている。
さらに例を挙げるとミシシッピー州のヘイリー・バーブル知事のロビー企業は2015年にサウジアラビアに雇われ、(以下、公式データーを引用)『サウジアラビアに世論とマスコミとの関係構築のためにサービスを提供』したとして50万ドルを受け取っている。
『米国流デモクラシーの輸出』の著者、コリン・ケヴェル氏は語っている。『米国はアラビア半島の炭化水素には自由なアクセス権を持っている。その見返りとして米国はサウジアラビア王室がアラビア半島を永遠に支配下におくことを支援してきた。莫大な金の流れをたったひとつの勢力がコントロールする場合、そのパワーはつまり大統領候補者をあやつり、必要な友人の影響を買収するなど、米議会をほしいままに動かすことができる。』
ワシントンが採る決定に影響しようと思えば、ロビーストの力を借りるだけではなく、時に米政界の大物プレーヤーにいくばくかの額を出すだけでいい。クリントン基金だってサウジアラビア王から1千万1ドル から 2万5千ドルドルを受け取ったし、ジョン・マケイン研究所だってサウジアラビア大使館から10万ドル以上の寄付を受けている。というわけで元 マグナートのトランプ氏が未来のサウジ国王の前に深深とお辞儀をしようと全く驚く話ではない。」