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この実験に関する論文は、雑誌PNASに掲載された。
山梨大学の若山清香(さやか)特任助教と彼女のグループは、論文の中で次のように書いている-「もし人間が宇宙で暮らし始めるならば、精子を冷凍して、それを長期間保管できる技術が必要だ。問題は、国際宇宙ステーションでの放射線レベルが、地球上より100倍も高いことだ。我々は、放射線により精子のDNAは損傷を受けるが、子孫の生存率や受精率に影響はない事を証明した。」
若山特任助教のグループは、国際宇宙ステーションにマウスの精子の冷凍サンプルを送り、軌道上で約9カ月それを保管した後、2014年、サンプルを地球に戻した。
その後、学者らは、これらの遺伝物質のサンプルを卵細胞の受精用に使い、それらを代理母役のマウスの子宮に移植した。
実験によれば、精子は宇宙に長期間保管された場合、精子は地上に比べて損傷が激しく変異を起こしやすいが「宇宙生まれのマウスの子」は「地球生まれの子」と変わりなく健康だったとの事だ。
学者らは、こうした結果は、宇宙に長く滞在しても、人類が出産し個体群を維持する大きな妨げにはならないことを物語っていると見ている。