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業務過失が問われているのは大津波襲来の危険性を具体的に予見し、大事故の回避が可能だったかどうかという点。
被告席にたったのは勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長(71)と武藤栄元副社長(67)で3人とも重大な事故を起こしたことについての謝罪は行ったが、事故の予見は不可能として起訴内容を否定した。
今回、津波の予見が可能か否かを見極める上で重要視されているのが2008年に東電子会社が試算した津波予測データーとされている。その際、1896年の明治三陸地震と同様、マグニチュード8・2クラスの地震が福島県沖で起きた場合、原発敷地南側に最大15・7メートルの津波が襲うとの結果が出されており、子会社からは「原子炉建屋がある高さ10メートルの敷地上に10メートルの防潮堤を設置すべきだ」との具体的対策も盛り込んだ検討結果を東電に報告していた。指定弁護士らは報告にもかかわらず、措置を講じず、運転を続けたために今回の事故が発生したとして注意義務違反を指摘している。