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2010年:スモッグと猛暑
2010年のモスクワの夏は、この地域としては過去130年で最も暑い夏となった。7月初めから8月初めまでの1ヶ月間、モスクワとロシア中央部のほぼ全域で気温が30度を下回ることはなかった。極めて乾燥した天気で多くの森林火災・泥炭火災が急激に拡がり、全国で約20万㏊が焼失した。街は濃いスモッグに覆われた。
2010年の冬:氷の雨
2010年の冬、モスクワ一帯では別の異常気象、氷の雨が観測された。湿った雪と雨が急激な冷え込みに変わり、その結果、住宅、道路、送電線、木々が氷で覆われた。まもなくして、これはモスクワの冬の風物詩となったが、2010年はこうした雨が初めて、そして異常な勢いで降った年だった。
その結果、モスクワ州の森林では多数の樹木が自然の猛威から立ち直ることができず、犠牲となった。このほか、モスクワ市内でも4500本の木が倒壊した。また、送電線の断線により約40万人が停電の被害を受けた。
2012年:黄色い雲
@alexzhdanov #зеленыеоблака Но было красиво: pic.twitter.com/L1dXcIr6
— Geo Mysl (@geomysl) 27 апреля 2012 г.
2012年7月、モスクワの住民は街の上に黄色い雲がかかっているのを目にした。2010年の泥炭火災とスモッグを受け、この現象は危うくパニックを呼ぶところだったが、まもなくして、これはサハラ砂漠からロシア中央部一帯に運ばれてきた砂埃が原因であることが明らかになった。
2017年:「ノアの大洪水」
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) 30 июня 2017 г.
2017年は異常に雨の多い冷夏となった。専門家によると、6月と7月初頭だけでモスクワとモスクワ州では夏季の平均降水量の約200%にあたる雨が降った。SNSユーザーやほかならぬ気象学者さえもが、この事象を「聖書の大雨」と呼んだり「ノアの大洪水」と呼んだりしていた。6月30日の大雨はモスクワの気象観測史上、最大の大雨に認定された。
1920年、北半球のこの極めて厳しい異常気象の原因が、その年の夏に南半球のインドネシアで起こったタンボラ山の噴火であることが明らかになった。大量の火山灰の噴出がいわゆる「火山の冬」現象を引き起こしたのである。