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理由
ロシアの、米国人外交官追放に関する決定は、米国の前政権が2016年末に導入を決めた制裁と、米国議会がロシアとの関係を新しく制限する法案を承認したことに対する報復措置である。この法案はトランプ米大統領の署名待ちだ。プーチン露大統領はこの度、755人の米国人外交官がロシアを離れる、と明らかにした。この後、ロシアに残る米国人外交官は、米国に滞在するロシア人外交官の数と対応するように、455人以下でなければならなくなる。
それ以外にもロシアは8月1日から、モスクワ南部のダロジナヤ通りにある貨物置場や、モスクワのセレブリャニ・ボル森林公園にあるダーチャ(別荘)を 米国大使館が使用することを禁止した。
© Sputnik / Evgenya Novozheninaモスクワのセレブリャニ・ボル森林公園にあるダーチャ(別荘)
モスクワのセレブリャニ・ボル森林公園にあるダーチャ(別荘)
© Sputnik / Evgenya Novozhenina
結果
この報復措置を受けて、米国外交官のロシア関係の職務は全ての分野で困難をきたし、多くの支出を呼ぶかもしれない。ヴェドモスチ紙によれば、人員の削減は米国の大使館や代表部の仕事を難しくし、その結果としてロシア国民も、例えば米国ビザ発給の遅延などで悪影響を受けることになるだろう。
ヴェドモスチ紙は、1986年に行われた、ソ連からの米国外交官の追放が最も大規模だったと報じている。当時、80人の外交官がソ連の大使館や代表部を離れ、ソ連はスパイの嫌疑がかかった30人の米国人を追放した。今回の大規模追放が示しているのは、トランプ大統領率いる米国当局との関係改善の望みはもはやない、ということだ。両者とも完全な、制裁外交戦争に参戦したということになる。
この戦争のレベルはもしかすると非常に大規模になるかもしれないが、経済ポテンシャルの不均衡のせいで、米国よりも、ロシアに多くのマイナスをもたらし、ロシアの予想と違う方に状況が展開するかもしれない。