スプートニク日本
通信社「スプートニク」は、安倍首相とトランプ大統領の電話会談後に伝えられた日米両国の声明は、中国とロシアへ圧力をかけるために計画されたものではないかとの疑問を抱いた。アジア太平洋研究センター日本課のヴィタリー・シヴィトコ主任は、次のような考えを示している-
「そのような要素はある。ただ中国に対してどのようなレベルで、どのような具体的な措置が講じられる可能性があるのかは、あまり明確ではない。トランプ大統領が北朝鮮問題の解決で中国に大きく期待しているのは確かだ。だがトランプ大統領が、北朝鮮への影響とロシアを結びつける可能性は少ない。日本は、ロシアには外交分野および経済分野で北朝鮮に圧力をかける隠された力があり、ロシアはそれを北朝鮮の弾道ミサイル発射をやめさせるために使うことができると考えている。なおトランプ大統領にとって北朝鮮の核問題の解決は国際的威信よりも大きな問題だ。同氏は、北朝鮮問題の解決を約束したが、まだどうしても解決することができずにいる」。
一方で、中国に対するトランプ大統領の激しい声明の背後にあるのは政策のみなのだろうか?「スプートニク」は、雑誌「世界政治におけるロシア」の編集長フョードル・ルキヤノフ氏にコメントを求めた-
「トランプ大統領は、中国が行動せず、北朝鮮に対して圧力を加える用意が不十分だというテーマを定期的に提起している。だが、時に北朝鮮に関係する地域問題でさえも、トランプ大統領にとっては米国の経済的利益に関する自身のイメージを実現するための手段にすぎない。トランプ氏は、北朝鮮への圧力が不十分だとして中国を非難している。だが中国は米国の圧力の下で、すでに北朝鮮産石炭の購入をやめた。これは中国によるかなり重要な措置だった。その後、まさに北米産の石炭が『見事な』かたちで北朝鮮産の石炭に取って代わった。私はこれを、米国の経済的利益と政治的圧力の直接的なつながりだと考えている」。
またルキヤノフ氏は、制裁でロシアが米国に本質的に報復することができないとしたら、中国には米国に報復するチャンスがはるかにたくさんあると指摘している。そのため、すでに始まった貿易・経済戦争は、米国にとっても極めて大きな傷を負うものになりかねない。だがトランプ大統領が、はったりを利かせている可能性もある。ルキヤノフ氏は、次のように語っている-
「トランプ大統領には原則がある。それは、後でさらに多く得るために、できるだけ激しく圧力をかけろ、というものだ。トランプ氏はこれを公に何度も語った。だが脅しによって中国から譲歩を引き出すことは未だできずにいる」。
ロシアは、北朝鮮に対する経済的抑圧に断固として反対しており、そのような目標を掲げた国連安保理決議案に同意しないと警告した。これは、中国の立場を強化した。