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日経新聞の英字雑誌「Nikkei Asian Review」によると、張成沢氏は2012年、金正恩政権を転覆させ、異母兄である金正男氏にすげ替えるため中国に協力を密かに要請した。
同紙の情報筋によると、当時の中国最高指導者、胡錦濤前総書記はすぐには返事をしなかった。
クーデターのうわさは実行前に、元中国共産党中央政治局常務委員で、北朝鮮との緊密な関係を持っていた周永康氏に嗅ぎつけられた。
計画を聞き、金正恩氏は「烈火の如く激怒」し、2013年12月に叔父の逮捕と処刑を命じたという。
© AFP 2023 / Woohae Cho叔父の処刑へ
叔父の処刑へ
© AFP 2023 / Woohae Cho
張成沢氏の逮捕に続き、北朝鮮の国営メディアを通した声明は、張氏が「犬畜生にも劣る人間のクズ」で「党と指導者に示された父親のような暖かい愛と深い信頼に背いた、3度呪われる裏切りを行った」と主張していた。
『父なる指導者の愛ある気配りの下で:北朝鮮と金王朝』(Under the Loving Care of the Fatherly Leader: North Korea and the Kim Dynasty)を書いたブラッドリー・マーティン氏は、張氏が「違うやり方をし、中国が経済を近代化した点で明らかになった進歩を評価し、もしかすると、北朝鮮にも同様のことを望んでいた北朝鮮人」だったと指摘した。
金正男氏は2月、クアラルンプール空港でVXガスで暗殺された。暗殺は北朝鮮が行ったと見られている。
叔父の処刑後、朝鮮民主主義人民共和国の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力相(66)が、軍の行事の際居眠りをし、また国の指導者金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の命令を遂行できなかった事から、国家反逆罪に問われ銃殺された。