三角屋根の上から悪魔が隣人を睨みつけ、なかには他人の家の窓に向かって弓を引いている悪魔もいる。夜になると、悪魔が手に持った電灯に明かりが灯り、より一層、妖気的となる。家の壁と四阿の屋根には骸骨が飾られている。塀からは黒い手が伸び、今にも通りがかった人を地獄に引き込みそうな様相だ。
近所の人たちは、この「悪魔の家」を迂回するようにしており、特に子どもを連れている時にはそばを通らないようにしている。子どもが怯えないようにするためだ。この邸宅は地元住民にとって、ある種の名所となっている。外装デコレーションは議論を呼んでいるが、法的には、家は個人の所有物であるため、持ち主が選んだ外装を制限するものは何もない。
正面玄関と塀は両面に本翡翠が施されている。この高価で珍しい鉱石は、見た目にはネフライトを思わせるが、それよりもずっと硬くて強固だ。どうやら、この家の主は何か特別で驚くようなことをしてやろうと考え、それに成功したようだ。