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なぜウラジオストクでラーメンなのか?テスト出店を主催している農水省食文化・市場開拓課の嶋根一弘課長補佐に話を聞いた。
嶋根氏「日本のラーメン店は、イギリス、ドイツ、アメリカ、ブラジルといった世界の国々で行列ができるほどブームになっています。ウラジオストクは日本にとても近いですし、テスト的に営業してみて人気があれば、将来的に日本のラーメン店進出ということもあるのではないでしょうか。まずはウラジオストクの皆様に、日本の伝統的なメニューであるラーメンを知っていただければと思います」
筆者はオープン初日の7日の夕方に店を訪れた。店内は木の特徴を生かしたシンプルで落ち着く内装。カウンターの椅子も高すぎず低すぎず、大柄なロシア人も座りやすい快適な作りになっている。この日、昼営業だけで約100食が売れてしまった。日本のラーメンはロシア人の口に合ったのだろうか。食事を終えた人々に感想を聞いてみた。
友人と来店した家具職人のアレクサンドルさん「自宅で袋入りのインスタントラーメンを作りますが、自分で肉や魚で出汁をとってみても、なかなか上手くいかなくて。今日のラーメンは今まで食べた中で一番、出汁が良かったと思います。600ルーブルは高くないかって?いえ、ロシアでまともなラーメンを作ろうと思ったら500ルーブル以上はするんじゃないかな」
夫と息子と来店したアナスタシアさん「SNS上にある『ウラジオストクのママ』という交流グループで日本のラーメン店が開店すると知り、絶対来なくちゃと思いました。今年の春、日本に家族旅行に行きました。私も夫も日本、特に横浜が大好きなんです。ラーメンはとても美味しかったのですが量が多すぎて、私も子どもも残してしまったのが残念です。テスト出店でも、せめて子ども用サイズがあればよかったですね」
この日、夜の営業時間もひっきりなしに人が訪れ、一人客(男女問わず)や家族連れ、カップル、友人同士など、客層も様々だった。日本の国民食ラーメンは、果たしてウラジオストク市民のハートをどこまでつかめるのか。テスト営業の結果が楽しみだ。