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それによると容疑者の1人、チャイリト・アヌリト大佐はカンボジアとの国境までインラック氏に同行した。最初バンコクではインラック氏の乗ったメルセデスを自らのパトカーで護衛し、その後インラック氏はトヨタのカムリに乗り換え、アヌリト氏が運転して前首相とその秘書にカンボジアとの国境近くアランヤプラテート郡まで同行した。その際インラック氏と秘書は黒い医療用マスクをしていたという。ここで前首相と秘書は再び車をピックアップトラックに乗り換え、カンボジアに向かった。
タイ史上初の女性首相だったインラック氏は、2011年から2014年にかけて政府が進めた農業補助金制度の実施をめぐって職務怠慢と汚職黙認の罪に問われている。この制度は、将来輸出する際の市場価格のほぼ2倍の金額で農民から米を買い取るというものだった。
インラック氏に対しては8月末に判決が言い渡される予定だったが、インラック氏は出廷せず、国外に逃亡したとみられている。
これより前、バンコク裁判所は、タイと中国との政府間米取引の偽造を認めた同国の元貿易相に対し、42年の禁固刑を求刑した。