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オープン・スカイズ(領空開放)条約とは、軍事活動管理を目的に互いの国の領空を飛行することを認める取り決めで、1992年3月24日にヘルシンキで欧州安全保障協力機構(OSCE)の23カ国が署名を行った。ロシアもこれを2001年5月に批准していた。
WSJ紙によると、今回の飛行制限は「ロシア政府によるカリーニングラード上空飛行の禁止」に対する米政府の報復措置となる。オープン・スカイズ条約で認められる偵察飛行の範囲は最大5500キロメートルだが、同紙は「ロシアはカリーニングラード上空では500キロメートルという"更なる制限"を設定した」と説明。
米国はロシア軍機の飛行をアラスカとハワイ上空で制限する可能性がある。匿名の米政府高官は「ロシアに(オープン・スカイズ)条約を再度順守させたい」とコメントしている。
26日にウィーンで開催されるオープン・スカイズ条約評議委員会会合で、米代表団は新たな措置を発表する予定だ。
一方のロシア外務省は、同条約に関する米国側の主張を根拠がないと反論。同省武器不拡散および管理課のミハイル・ウリヤノフ課長は、妥協点を見出す必要があるとの見方を示す。
「我が国に対する批判は根拠のないものと考える。この条約は実際のところ非常に複雑で、そこに書かれている規則は常に一義的な解釈ができるとは限らない。このため、妥協点や解決点を模索する必要がある」
またロシア側の反応については、「我が国はもちろん、米国側の決定事項を軍関係者と共に検討しなければならない。おそらくロシア側の報復措置といった話になるだろう」と述べた。
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