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遷延性意識障害、すなわち植物状態では大脳皮質が機能を失っているため、精神活動を行うことができない。この状態が長く続くほど、そこから回復するのは難しくなる。だが医師の研究グループは、迷走神経に刺激を加えることで、意識活動を司る部分の活性が高まるかもしれないと推測した。
迷走神経と電極を首の高さで接続し、刺激装置を胸部に埋め込む作業を行った一ヶ月後、医師らは電流0.25ミリアンペア、周波数30ヘルツの電気信号による脳の刺激を開始した。各作用時間は30秒、それぞれに1分間の間隔を置き、毎週、電流の強さを1.5ミリアンペアまで高めていった。
この実験を開始して6か月後、患者は頻繁にまぶたを開きはじめ、室内の人々の動きを視線で追い、頭を向ける指示に反応するようになった。更には微笑もうと試みることさえもあった。そして脳画像をスキャンした結果、植物状態から最小意識状態への移行も確認されたのだ。
なお脳科学の分野では先日、南アフリカ・ヨハネスブルグ近郊のウィットウォーターズランド大学の研究グループが、医用生体工学の分野で目覚ましい進歩を達成した。同大学プレスリリースによると、人間の脳をリアルタイムでインターネットに接続する方法を初めて発見したのだ。