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学者たちによると、新たな接着剤は濡れているものも含め、事実上あらゆる表面にくっつく。この接着剤の伸びは現在使用されている様々なタイプの医療用接着剤の14倍、引張り接着強度は3倍。
学者たちは、西欧や中欧の森林や草原地帯などに生息する「ダスキー・アリオン」というナメクジからアイデアを得た。ナメクジの粘液の長いポリマーによって生成される粘着物質のおかげで、ナメクジは地面や濡れた葉、キノコなどに文字通り「くっつく」ことができる。捕食者はナメクジをそこから引き離すことはできない。
学者たちはナメクジの粘液の成分を研究し、これを模倣した2層のヒドロゲルを開発した。これは皮膚や心筋を含むその他のからだの組織をしっかりと粘着させる。動物実験では様々な臓器や組織の接着が行われ、成功した。なお、動いている心臓でヒドロゲルの「継ぎ」は血でおおわれた部分に貼られていても持ちこたえていた。さらにこの新たな接着剤は、炎症を起こすことも、壊死させることもないという。
今後、臨床試験が実施される予定。成功したら外科分野における革命となるだろう。
開発者たちは、新たな接着剤について、例えば体内の必要なポイントにくっついて薬剤を徐々に放出する「ベトベトしたロボット」やカプセルの製造など、別の形でも使用されることになるだろうと予測している。