スプートニク日本
雑誌「Current Biology」に掲載された論文によると、「ロードハウナナフシ」は体長およそ15センチ、重さ約25グラムの大きな昆虫で、タスマン海の火山島、ロード・ハウ島に生息、人がこの島にやって来るまで繁栄していた。
ロードハウナナフシは2つの原因により1925年に一旦絶滅したとされた。1つ目は水兵や住民がこの昆虫を魚釣りの餌として利用したこと。2つ目はその後、1918年に島の近くで難破した船から生き残った大量のクマネズミが島を「占領」したことだ。クマネズミは当時まだ生息していたロードハウナナフシをすべて、瞬く間に食い尽くした。島に天然の敵がいなかった結果、クマネズミはさらに11種類の昆虫の固有種と5種類の鳥を絶滅させた。
1960年代半ば、太平洋の熱帯地方の島々を旅行していたアマチュア登山家の一人が、ボールズ・ピラミッド島でロードハウナナフシに非常によく似た昆虫の個体群を発見した。発見された昆虫の起源について、科学界では激しい論争が巻き起こった。
今回、研究グループはボールズ・ピラミッド島で見つかった個体から採取されたゲノムを解読し、世界各地の博物館に保存されているロードハウナナフシから取り出したDNA標本と比較した。その結果、同島に20匹のロードハウナナフシからなる個体群が実際に生息していることが証明された。
関連記事
カナダで発見された脳類似生物、正体は古代生物の群体【写真・動画】