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「先進的」なハイテクロボットは、すでに本物の女性にとてもよく似ており、近いうちに本物の感情も真似することができるようになるだろう。2010年に米国で開かれたリンカーン・パーク社のアダルトグッズ展示会「アダルト・エンターテインメント・エキスポ」では、「世界初のセックスロボット」Roxxxy(ロクシー)がお披露目された。Roxxxyの肌は人間の肌と非常によく似ている。また、この「コンパニオン」のボディーには、触れると反応する特別なセンサーが組み込まれている。またRocky(ロッキー)という名の男性版セックスロボットも開発された。
ラブドール「Real Doll(リアル・ドール)」はロボットではなく、本物の人間のようには動かないが、この人形にも熱烈なファンたちがいる。なぜなら「Real Doll」も最先端のモデリング技術と最新の素材を用いて製造されているからだ。各顧客のために一つずつ手作りされており、価格は一体5000ドルから1万ドル。新製品RealTouch(リアル・タッチ)は、性行為の際に女性が感じる感覚をオンラインモードで模倣する。このような現実とバーチャルの「デュエット」も、非常に人気となった。なお非常にシンプルなアダルトグッズ「LovePalz(ラブ・パルズ)」は、メガネOculus Rift(オキュラス・リフト)を使って漫画やアニメキャラクターとのセックスを模倣できる。これらの開発は革命とまではいかないが、セックス・テクノロジー分野における真の飛躍に近いものがある。
一方、未来学者のマッドライン・アシュビー氏は、ロボット化されたセックスパートナーは長い進化の道をたどることになるだろうとの見方を示している。しかしアシュビー氏によると、「不気味の谷現象」の罠に陥らないための良い方法がすでに存在している。それは、パートナーの顔や外観をアニメキャラクターに似せてつくることだ。「不気味の谷現象」という言葉の下には、外観や動作などの些細なことで人間に似ていないロボットに対する嫌悪感が暗示されているという。この嫌悪感は恐怖と呼ばれることさえある。
いずれにせよ、セックスロボットが人間あるいはアニメキャラクターに似ているか否かに関わらず、その初期価格は5万ドル、またはそれ以上と非常に高額になるだろう。しかし作家のデイヴィッド・レヴィ氏は、セックスロボットに関する興味深い予測をしている。同氏は、2050年にロボットとの最初の婚姻関係が結ばれるだろうとの見方を示している。
© AFP 2023 / Robyn Beckラブドール「Real Doll(リアル・ドール)」
ラブドール「Real Doll(リアル・ドール)」
© AFP 2023 / Robyn Beck
一方、ド・モンフォール大学(英国)のキャスリーン・リチャードソン博士は、セックスロボットによってすべてが原始的な生理機能へとなり下がり、ロマンチックな感情は一切なくなり、人類を破滅させる恐れがあると警告している。だが、これらの危惧はすべてが正当化されるのだろうか?なぜなら進歩を止めることはできず、セックスロボットにはプラスの面もあるからだ。例えば、このようなロボットは、孤独な人々の生活に彩を添える助けとなっている。
さらに、ロボットが完全に人間に取って代わることについては、まだ話は及んでいない。まずは人間の知能に匹敵する人工知能(AI)をつくらなければならない。しかし現時点ですでに「頭をつかって」虚構の世界へ入り込むことを可能とするテクノロジーが存在している。重要なのは、人間が現実と仮想現実を区別する能力を失わないことだ。まさにここに、真の危険性がある!