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先日、英ブリストル大学の調査で、世界各地の火山活動が過去500年の間に奪った人命がほぼ30万人に達することが明らかにされた。この際、最も高い死亡率が示されたのは火山から数十キロ圏内だった。なかには有毒な火山ガスが170キロも離れた場所まで到達した例もあった。
火山の噴火で人間にとって最も危険なのは高温の火山岩、灰、ガスが一緒となった溶岩流。溶岩流は時速600キロ以上の高速度で進みながら、当たりをすべて飲み込み、破壊していく。その上、含まれる火山ガスの温度は最高摂氏1000度にまで達する。溶岩流が押し寄せてきたら助かる見込みはなく、たいていの場合は呼吸困難に陥って死亡する。多くの火山は文字通りガス爆弾を発射しているようなものだ。噴き上げられた火山灰は高い高度で雲となるため、これによって空の交通に支障がきたされるだけでなく、地上にも広範にわたって太陽光線が届かなくなる。
学説では、大きな危険をはらむ巨大火山は世界に今、20か所ちかく挙げられており、そのうちのわずか1つが噴火しただけでも地球上の生命全体には実際的な脅威となる。