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今回の発表は「広範囲にわたる諸問題」についてのものだが、注目されているのはイランと露米など関係6か国が2015年に結んだ核合意をイランが順守しているとトランプ氏が認めるかどうかという点だ。
この合意についてのトランプ氏の立場は以前からよく知られている。大統領に就任した当初から、トランプ氏は一貫して核合意からの脱退を試みてきた。一方、ティラーソン米国務長官やマティス米国防長官はともに、イラン政府は核合意を順守しており、この合意は米国の国家安全保障上の利益と合致するものだと述べてきた。この問題に関する米政権内での矛盾は米メディアで絶えず報じられている。
今回のトランプ氏による演説内容としていくつかのシナリオが予想されているが、そのうちの一つは、米国はイランが核合意を順守しているとは認めないが、一方で合意から米国は脱退しないというものだ。このシナリオは2つの理由から最も可能性が高い。1つ目に、この場合は次の決定、即ち対イラン制裁再開の決定は米議会が下さなければならなくなるが、議会は本質的には何も決定しないかもしれないからだ。こうすることでトランプ氏は自らの約束の一部を形式的に果たすことができるのだ。核合意に関してイランに対する制裁が復活することはないだろう。2つ目は、米国は形式的に核合意に留まることになり、この歴史的合意の明白な崩壊につなげずに済むからである。