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米ルイビル大学の学者らによる研究結果はScientific Reports紙に掲載された。研究の対象となったのは、バイク事故で下肢が麻痺した32歳の男性患者。事故で脊髄上部を損傷したため、大脳と脊髄下部との伝達が絶たれ、下肢を動かす筋肉を運動ニューロンが調整できなくなっていた。
今回の研究で、医師らが筋肉を動かすための中枢パターン発生器(CPG)の刺激装置を患者の負傷部より下側に埋め込んだところ、脳内で神経経路が少しずつ現れ始めた。
治療と訓練を重ねること44ヶ月経過後、患者はついに両足で立ち、装置なしで動かせるようになった。
ルイビル大学神経外科課程のスーザン・ハルケマ教授によると、脊髄損傷後に下肢の運動機能が戻る可能性は一般的に低いとされる。だが今回、脊髄下部の活動生を刺激するため「集中的な処置」を施した研究の結果、その可能性が高まることがわかった。