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犬と人間の相互関係を調べる研究を行ったのは、ポーツマス大学の生物学者たち。被験対象として、1歳から12歳までの品種の異なるオスとメス計24匹の飼い犬が選ばれた。
これらの犬はデータベースから無作為に抽出した。唯一の抽出条件は、友好的な性格であることのみ。実験中、犬は飼い主が行っていたのと同じ給餌方法で飼育された。
それぞれの犬に対し、合計4種類の条件でテストが室内で実施された。条件の内容は(1)餌が置いてある室内で、知らない人が犬に注意を向けて見つめる、(2)餌が置いてある室内で、知らない人が犬に注意を向けず顔を背ける、(3)餌が置いていない室内で、知らない人が犬に注意を向けて見つめる、(4)餌が置いていない室内で、知らない人が犬に注意を向けず顔を背ける、の4パターン。人間の行動に対する犬の反応はビデオカメラで撮影し、データの解析は、犬の表情を筋肉の位置などから分析する DogFACSプログラムによって行なった。
実験の結果、犬は人間に見つめられたときに表情が頻繁に変化することがわかった。中でも、舌を出して眉をあげる仕草が最も多く認められた。逆に人間が顔を背けると、犬の表情は最低限のものとなった。また餌の有無は実験結果に何の影響もなかった。この結果に基づき、犬は人間と接するときには意識的に表情を変えているとの結論を生物学者らは導き出した。