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この地域の人道状況は最大限危機的な状態に陥っている。米軍が「破壊の脅威がある」として基地の周囲55キロ圏内への立ち入りを禁じたため、数万人のシリア人がその近くにある「エル・ルクバン」キャンプに入ることができない。
目撃者の証言によれば、米軍の補佐官らは数日間にエル・ルクバンの隣に新たなキャンプを展開した。そのキャンプには東カラムン、ウムエル・カリヤテイン、シリア砂漠から狼藉をはたらく武装戦闘員らが続々と集められており、いわゆる「穏健派反体制派」と称される「国民シリア軍」が形成されている。
米軍補佐官らは傭兵の賃金をめぐって武装戦闘員の野戦司令官らと値段交渉を行っているために、武装集団間の賃金の違いは数倍にまで開きがでている。これが原因となり29日には武装集団「アル・カリヤテインのシャヒード旅団」と「東の獅子」の間で衝突が生じ、巻き込まれたシリア難民13人が死亡した。にもかかわらず米国側は負傷した難民への医療行為を行わなかった。
ロシア人専門家らはこの米国の行為は人道法に由々しく違反するものであり、戦争犯罪とみなされると糾弾している。
なお、先に伝えられたところでは、国連外交筋によると、シリアでの化学兵器を使った攻撃を調査する国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の合同調査機関の任期を延長する決議案を、ロシアが国連安全保障理事会に提出した。