米国におけるRTとスプートニクの活動抑圧に同種の報復:ジャーナリストにとって「外国エージェント」認定は何を意味するのか

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11月13日、ロシアのテレビ局ロシア・トゥデイ(RT)は、アメリカ司法省の求めにより、アメリカにおいて「外国エージェント」として登録された。これに対しロシアでも対抗措置が取られた。ロシア下院は11月15日、外国のマスメディアを外国エージェントとして認定できるよう、既存の法律の改正案を可決した。スプートニクは、ジャーナリストにとって外国エージェントの認定を受けることが何を意味するのか、ロシアでどんな規則が機能することになるのか、特に日本メディアの支局に影響はあるのかについて状況解明しようと試みている。

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Q RTは、米国における外国エージェント法に当てはまる最初のメディアなのか?

A 違う。中国の新聞「チャイナ・デイリー」は1983年から、日本のテレビ局NHKは1991年から、外国エージェントとして登録されている。

Q ロシアにおいて、どんなメディアが外国エージェントとみなされるのか?

A アメリカだけでなく外国のメディアすべてが対象になる。または、活動資金やその他の活動手段などを外国政府や外国企業、あるいは外国人から受け取っている場合も対象になる。ロシア企業を経由して外国から資金提供を受けている場合も対象になる。

Q もし外国メディアが外国エージェントとみなされたら、どんな義務を果たさないといけなくなるのか?

A アメリカにおける外国エージェントと同様、NPO法が定めているのと同じように、自社のプロダクト、サイトや印刷物に(外国エージェントである旨の)印を示さないといけない。

Q どういうデータや報告を、誰に対して、どの程度頻繁に提出しなければならないのか?

A ・自社の活動報告書と、組織の上層部の人事構成について半年に1回、しかるべき行政機関に提出。

・外国から受け取った金銭の支出を示す書類、それ以外の財産利用の書類を4半期に1回提出。

・会計報告書を毎年提出。

Q 誰が、メディアが外国エージェントであると認定するのか?

A 米国の場合と同様、ロシア司法省が決定を下す。

もしマスコミが、外国エージェント法の求めるところに従って上記に挙げられた要求を実行しない場合、そのメディアはロシアで活動する可能性を失う。

より詳しい照会のため、スプートニクはロシア国家院(下院)情報政策・IT委員会のレオニード・レヴィン委員長に話を聞いた。

グーグル、RTとスプートニクからの「ロシアのプロパガンダ」をフィルターに - Sputnik 日本
グーグル、RTとスプートニクからの「ロシアのプロパガンダ」をフィルターに
レヴィン氏「ロシア・トゥデイ(RT)が米国で直面した出来事は、我々に、アメリカがRTとスプートニクに対して行ったのと同様の制限を加えることを余儀なくさせた。法律の改正は、全く、どんな検閲を行うものでもないし、外国のジャーナリストの仕事の障害になるものでもない。アメリカのプロパガンダ的リソースを、米国におけるロシアメディアと同じ状況に置くことが目的だ」

日本メディアの反応はどうか?スプートニクはロシアに支局をもつ日本メディアに電話取材し、彼らの声を聞いたところ、匿名を条件にコメントを得た。「アメリカのメディアが対象だということは明らかなので、心配していない」という声もあれば「海外メディア全体に波及するかもしれないので、事の次第を注視している」「法律の条文を見ないうちはなんとも言えない」という意見もあった。 概ね、冷静に受け止められているようだ。

ロシア広報協会・デジタルコミュニケーション委員会のセルゲイ・ヴォドペトフ氏は現在の状況について、スプートニクの取材に対し次のように話している。

「要人の記者クラブに属するジャーナリストのデータを集めることは、警護対象に値する要人の安全を守るため許容されることだ。その場合は国に関係なく、最低限でも全員のパスポートを確認すべきだろう。その他の場合、ブリーフィングに参加する申し込み資格は平等であるべきで、誰かの権利が他の誰かより狭められているということがあってはならない。もし米国で、RTに対して、何かしらの追加情報、収入であるとか、親類や知人が海外に在住しているかとか、それは明らかに余計な情報だろう。重要なのは、この状況がさらに悪化してしまわないことだ」

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