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スプートニク:ロシアがFIFAワールドカップ2018の舞台に選ばれ、日本代表がロシアの各地でプレーすることになりました。開催国としてのロシアのイメージはいかがですか?
田嶋氏:私にとってロシアは「お隣の国」というイメージです。来年のFIFAワールドカップロシア大会の舞台となるのは、日本から遠く離れた都市ですが、日本のファンが大勢応援に駆けつけてくれることを期待しています。
国のトップであるプーチン大統領が大会の成功に意欲を見せていることが、日本にもしっかり伝わっています。サンクトペテルブルク・スタジアムを見ても分かる通り、国の威信を懸けて大会の準備に取り組んでおり、我々も緊張感を持って大会に臨むことができると思っています。あらためて、ロシア大会に出場できることに大きな喜びと誇りを感じます。
スプートニク:日本とロシアのサッカー交流はどの程度行われていますか?
田嶋氏:1994年にJリーグのガンバ大阪に加入したアフリク・ツベイバ選手、ジュビロ磐田のドミトリー・ラドチェンコ選手などJリーグでプレーした選手が何人かいますが、最も記憶に残っているのは、2002FIFAワールドカップ日本/韓国のロシアと日本の対戦です。日本にとって、ワールドカップで挙げた初の勝利で、日本サッカー史に深く刻まれています。
試合だけでなく、開催地や各国代表チームのキャンプ地で育まれた交流も2002年大会のレガシーとして残っています。同大会で、ロシアは静岡県清水市(現・静岡市)のJ-Stepでキャンプを張りましたが、大会後もJリーグの清水エスパルスとロシア代表やプレミアリーグのクラブとの親善試合が行われたり、若い世代のサッカー交流、さらには、ロシアとの文化交流などが今も継続して行われています。2002年のワールドカップがきっかけで、2008年にロシアから日本平動物園にやって来たシロクマのロッシーは今も元気で、人気を博しています。
来年には日本もロシアでキャンプを張りますので、キャンプ地の皆さんと素晴らしい交流ができるよう、日本サッカー協会を挙げて親善大使の役目を果たしたいと考えています。
スプートニク:ロシア人に日本サッカーの存在を知らしめたのは本田圭佑選手でした。ロシアでプレーした本田選手が果たした役割をどのようにお考えですか?
田嶋氏:現在、メキシコのパチューカで活躍している本田圭佑選手は、オランダのVVVフェンロからロシアプレミアリーグのCSKAモスクワに移籍。モスクワでの活躍が認められ、2013年にイタリアセリエAのACミランに移籍しました。世界屈指のチームで10番をつけて戦ったことは日本のサッカーファンはもちろん、日本国民にとっても大きな誇りでした。
本田選手がCSKAモスクワでプレーしていたときは、毎週テレビで試合が放送され、日本のサッカーファンは、彼の活躍を見るだけでなく、様々な特長を持つクラブチームを知ることにもなりました。彼がロシアプレミアリーグでプレーしたことは、日本のファンにとっても、本田選手個人のキャリアにとっても大きな意義を持つと考えています。
田嶋氏:ロシア代表で印象に残っているのは、2008年のUERAヨーロッパ選手権です。ロシアは初戦と準決勝でスペインに敗れましたが、準々決勝で優勝候補の一角だったオランダと延長戦にもつれ込む熱戦を繰り広げて勝利し、ベスト4進出を果たすという快挙を成し遂げました。
来年のワールドカップも間違いなくロシアが大きな目玉になると思っています。開催国チームが勝ち上がらないと大会も盛り上がりませんので、活躍を期待したいと思います。しかし、もし、日本がロシアと対戦する場合は、日本は必勝の構えで臨みます。
スプートニク:日本代表チームの試合の見どころは?
田嶋氏:12月1日にはモスクワで組み合わせ抽選会が行われます。日本は第4のポットに入ることが確定しており、今のランキングからして当然のことと認識していますが、サッカーは何が起こるか分からない競技です。1~3のポットにどんなチームが来たとしても、大会までの7か月間でしっかり準備をし、強豪国に勝てる実力を備えたいと思います。
スプートニク:ロシアのサッカーファンへ一言お願いします!
田嶋氏:一番に応援するチームはもちろんロシア代表でしょうが、二番目に応援するチームとして、日本に熱いエールを送ってください。ロシアと日本の健闘を祈るとともに、本大会でロシアの皆さんとお会いできることを楽しみにしています。