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IOCの決定を見守っていた中にはもちろん、フィギュアスケートの監督として有名なタチヤナ・タラソワ氏の姿もあった。タラソワ監督は決定を聞いて、どうしても涙を抑えることができなかった。
「言葉もありません。涙を流すどころか声を上げて泣き叫びたいくらいです。あなたがもうオリンピックにかけた人生を終えてしまったのならば話は別です。私もそうでしたし、父もそうでした。ですが、今ようやくオリンピックに漕ぎ出そうとし、出場のために毎日必死の思いで奮闘している人に、お前には行かせないよ、というなんて…。」
選手らは五輪旗のもとでも出場する必要があるか、という問いに対して、タラソワ監督は次のように答えている。
「これは個々の選手、監督が決めることです。でも私自身は出場すべきだと思います。それでもやはり、選手らの出場を認めてくれたIOCには感謝します。彼らには一度きりの人生しかない。そしてオリンピック出場も一度きりかもしれないのです。私たちには代表団がない。開幕式に一番美しい姿を見せられないとはなんと残念なことでしょう。国旗がはためくことがないのは本当に残念です。ただし国歌の斉唱は誰も止めることはできません。私たちが勝てば、選手らは私たちのために歌ってくれると思います。」
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タラソワ監督は、ロシアはスポーツ大国であり、オリンピックはロシア人選手なしには成り立たないと断言した。タラソワ監督は限りなく優しい言葉で選手らを励ましている。
「いいですか、私たちは国をあげてあなた方を愛していますよ。それはスポーツに関わる人達だけではありません。スポーツがただ言葉の上だけのことではなく、全人生だという人々だって同じです。みなさん、集いなさい! あなた方は強い。私はみなさんを愛しています。」
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