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「今実際に北朝鮮側から交渉の可能性の窓口が開かれつつあるようだ。北朝鮮は対話する用意がある。韓国大統領は、北朝鮮による挑発行為の可能性を軽減するために冬季五輪開催中は軍事演習を一時的に停止するよう米国に要請した。『オリンピック停戦』を背景に今後北朝鮮との交渉が進展する可能性がある」。
一方でティラーソン氏は、「何らかの内部の理由で」北朝鮮で暴動が始まり、「体制が崩壊」する場合の行動計画について米国は中国と合意したと語った。これは北朝鮮に対話を呼びかける同氏の発言と矛盾している。また米国家安全保障会議(NSC)の報道官は「北朝鮮が最近行ったミサイル発射を考慮すると、今は対話の時ではない」と述べた。
ロシア科学アカデミー極東研究所朝鮮研究センターのコンスタンチン・アスモロフ主任研究員は、次のような見方を示している-
「ティラーソン氏の発言と同様に北朝鮮をテロ支援国家に指定したり、また非常に大規模な軍事演習を実施するなどの他の行動もなくなることはない。同時に北朝鮮の最近のミサイル実験は、軍事紛争が起こった場合に北朝鮮がハワイだけでなくワシントンも攻撃できることを示した。米国は非常に混乱した状況の中でさまざまな方法を吟味しながらアメとムチの政策を使い始めたように思われる。なお米国のマスコミは、トランプ大統領とティラーソン氏の不和に関する情報に尾ひれをつけており、トランプ大統領はティラーソン氏の政策に不満を抱き、同氏を退任させてタカ派のマイク・ポンペオ現CIA長官と交代させようとしていると報じている。これは、米国には現在北朝鮮に関する統一した政策がないことを物語っている」。
政治学者で雑誌「 世界政治の中のロシア」の編集長フョードル・ルキヤノフ氏も、ティラーソン氏の発言の重要性を過大評価する必要はないとの見方を表し、次のように語っている-
またルキヤノフ氏は、将来的に北朝鮮が自国の目標を達成し、焦眉の課題を発表、自国のプログラムを実現するのは明らかであるため、実際に危険な状況だと指摘し、次のように語っている-
「北朝鮮と米国は今、北朝鮮が自国の焦眉の課題を発表し、目標を達成することについて妥協する必要がある。戦術的戦いでは北朝鮮が勝つことになりそうだ。事実として何も解決しておらず、むしろ反対に朝鮮半島情勢が悪化しているのを我々は目にしている」。
そして段階が進むにつれ、米国は面目を失わずにそこから抜け出すことがさらに難しくなるだろう。