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世界で「最も黒い物質」と考えられているのは人工物ベンタブラック。ベンタブラックは顕微鏡で観察すると、人間の髪の毛の1万倍細いカーボンナノチューブが垂直に立ち並ぶ「森」を思われる構造をしている。
ベンタブラックは受けた可視光ないし不可視光の99.965%を吸収する。そのため、ベンタブラックがコーティングした物体は人間の目には真っ黒な空間に見え、目視では凹凸の有無が認識できない。
今回の発見により、最先端技術で作られた人工物ベンタブラックに対抗できる自然界の物質が存在することが示された。科学誌『Nature Communications』に掲載された論文では、フウチョウのオスの黒い羽を研究した結果が示されている。フウチョウ科の一部の鳥の黒い羽の光の吸収率を分析した結果、吸収率が99.95%以上だと確認した。走査顕微鏡(SEM)で羽の構造を調べたところ、ベンタブラックの構造と酷似していることも明らかになった。