スプートニク日本
動物の臓器をヒトに移植する可能性について議論が始まったのは約15年前。だが免疫系がこれらの臓器を拒絶しないようにする必要があった。
スタンフォード大学の中内啓光氏と、カリフォルニア大学リバーサイド校のファン・ベルモンテ氏及びパブロ・ロス氏が、同課題を解決しようとした。厳密に定められた発達期間にブタあるいはその他の動物の胚にヒト幹細胞を注入すると、いわゆるキメラができる。
ベルモンテ氏のチームは、動物の特定の細胞を削除し、それを類似したヒト細胞に置き換えるCRISPR / Cas9技術を使って事実上あらゆる細胞をブタおよびマウスの胚に注入することを習得した。
中内氏によると、この胚の中のヒト細胞の数は非常に少なく、これが人間の顔あるいは脳を持つ豚や羊のようなものに変わることはない。
ブタとヒトの初のキメラ胚に含まれるヒトの部分はごく僅かであるため、羊で実験が行われることが決まった。
ベルモンテ氏のチームは、ヒト細胞をヒツジの胚に移植し、約10倍の大きさにすることに成功した。学者らによると、キメラ胚は存在した28日間にわたって順調に発達した。
これは倫理上の理由で実験が終わらなければ、キメラ胚はれっきとした生き物となった可能性があることを物語っている。