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収穫量や穀物の品質、標的及び非標的生物に対する影響、そして遺伝子組み換え作物(GM作物)が栽培された土壌の状態について、1996年から2016年までに発表された科学論文を収集したところ、研究者らは重要な結論に達した。「消費者にとっても、農業にとっても、遺伝子組み換え作物は有害というよりもむしろ有益である」というのだ。
遺伝子組み換えトウモロコシは収穫量が5~25%多く、菌の活動によって産生される有毒物質(マイコトキシン)の含有量が3分の1少ない。非標的生物(トウモロコシ畑に生息するが、播種には害を及ぼさない昆虫)の活動に対して遺伝子組み換え作物はいかなる形でも影響せず、その代わり標的である寄生虫に対しては影響を与える。
また遺伝子組み換え作物のバイオマス(生物体量)はより急速に分解するため、トウモロコシが育つ農地の収穫性に肯定的な影響を与える。イタリアの研究者らは以上のように指摘している。
論文では、遺伝子組み換え作物の消費者はマイコトキシンを摂取するリスクが低いことや、マイコトキシンの含有量が低いことで生産にかかる費用がより安くなることも指摘している。穀物は通常、消費者の食卓に上る前に有毒物質が取り除かれる。遺伝子組み換え作物を利用することで、有毒物質を取り除くための費用を削減することが可能になるという。
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