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研究者らは睡眠時の脳波のうち、ノンレム睡眠に現れる紡錘波に着目。これが睡眠時における記憶活動にどう影響するかを調べた。
被験者を使った実験では眠る前に単語と物の関係をいくつか覚えてもらい、浅い眠りに落ちた段階で被験者の記憶の反応プロセスを始動させるために、睡眠前に示された単語の半分を繰り返し聞かせた。被験者には目覚めた時に単語を聞かせ、物との正しい連想を思い起こしてもらった。その結果、被験者は睡眠時に耳元でささやかれた単語に関連した絵や場面をよりよく記憶していることが明らかにされた。脳波検査の結果では、まさにこの瞬間に睡眠紡錘波が現れていた。
バーミンガム大学サイコロジースクールの研究者、バーンハード・スタレシナ氏は電極を用いて睡眠紡錘波に刺激を行った場合、記憶が改善する可能性があると指摘している。研究者らはこれが解明された場合、記憶力に乏しい人達には朗報となると期待を寄せている。
研究者グループのひとり、スコット・ケイルニー氏は、睡眠時に脳は情報を処理し、最も必要な時にすぐさま思い出すことができるよう、情報へのアクセスを広げているため、これが解明されれば将来、脳の健全な活動期間を延ばすことに貢献できると語っている。
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